『坂バカのオアシス』

ロードバイク
<フォト & エッセイ>
チャリンコMy遺産(第1号)

ある田舎道。山の登り、中腹。命をつなぐ自販機と休憩ベンチ。ゴミ箱も完備。横には冷たい湧き水が流れ出る手洗い場があって、登ってきた坂バカたちが一息つけるスペースになっている。

実はここ、個人の家の前なのだが、きっと、この家の主は、心優しい方なのだろう。本当に助かる。

元々は山中にポツンとある個人商店だったのかも知れない。店舗兼住宅を思わせるガラス戸など、佇まいに名残がある。過疎化の波か。閉店したのは昭和の頃か。今は、ひっそりと、人の暮らしが垣間見えるだけだ。

駐車場はない。だが、自販機と、ベンチは残されている。

垂れるほどの汗をかきながら、半笑いのニタニタ顔で登ってくる坂バカチャリダーたちへの愛を感じる。こんな山奥まで、自転車で。何十人、何百人と見てきたのだろう。湧き水も自由に使えと言わんばかりに。車じゃないんだからお前たちにはゴミ箱も必要だろう、と。

考えすぎだろうか。いや、だったらこんなに広いスペースの真ん中にぽつんとベンチを置いておく必要はない。

坂バカのためにある峠の茶屋、オアシスである。

車が止まれるようにベンチをもっと隅に寄せれば、自販機の売り上げも伸びるだろう。けれども、あえてそうしない。意図を感じる。

こういう場所、こういう心こそ、後世に引き継いで欲しい遺産だなと思う。

そうだ。こんなふうに、思いを添えた写真を集めてみよう。

この写真を、私の『チャリンコMy遺産』第1号に認定しよう。

2020年6月 ソラアン


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